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ケニア・マサイマラ国立公園
ケニア・マサイマラ国立公園
サバンナには、ライオン以外にもヒョウやチーターといった猛獣がいます。 彼らの姿を見ていると、それがたとえ昼寝の最中でも、猛獣独特のすごみと存在感を感じさせます。 でも、これがライオンとなるとちょっと様子が違ってきます。 一日中昼寝というか、朝寝、昼寝、夕寝なんですが、それもとってもキモチよさそうに眠っています。 もっと威厳をもってほしいなあ、とも思いますが、考えてみるとサバンナの真ん中で昼間から大アクビできるのも百獣の王ならではのことかもしれません。 この、たてがみが生えはじめた子ライオンも、そろそろ王者の風格をはっきしはじめました。/ケニア・アンボセリ国立公園
ケニア・マサイマラ国立公園で一番多く出会うのがインパラです。 ニホンジカより一回り小さな体は、落ちついた茶褐色で、涼しげな目元とともに品のある姿をしています。 走るときに見せる跳躍は実にダイナミックで、まさにアフリカの動物を実感させてくれる動物でもあります。 サバンナでは、どちらかというと弱い立場のはずのインパラですが、表情はいつも毅然としていて、弱肉強食の世界で生きぬく強さを感じさせます。 なぜか、それはインパラにかぎらず、サバンナのほかの草食動物たちにもいえることで、決して弱気を見せない生き方に、つい自分自身が情けなく思えたりしてしまいます。/ケニア・マサイマラ国立公園
車で大草原を走っていると突然、ドライバーが「ジラフ!」といって、スピードをあげました。 ところが私にはいっこうに見えません。遠くに何本かの木があるだけです。 でも、近づいてわかりました。今まで小さな木にしか見えなかったものがキリンだったことに。 動物園で見ていたキリンの大きさと、サバンナで見るキリンの大きさがあまりに感覚的に違っていたのですね。 あらためてアフリカの広大さを感じさせる出来事でした。 サバンナには、このマサイキリンとアミメキリンがいます。日本の動物園で見るのは、ほとんどがアミメキリンですが、ここではマサイキリンをよく目にします。/ケニア・マサイマラ国立公園
ライオンやゾウ、キリンなどの、いわゆるサバンナのスターともいえる動物たちも、一日の大半は眠っていたり、草をもぐもぐしていることが多くて、見ていて意外と飽きてしまいます。 その点、付きあっていて楽しいのがサバンナヒヒです。 どうです、この面構え。豊かな表情やしぐさは時間を忘れさせてくれます。 ヒヒたちの人間との接し方がクールなのも魅力です。警戒心は少ないし、人がいようがわれ関せず。しかし、気にさわれば素直に文句をいってきます。こちらのことを特別扱いしないで、仲間のように接してくれるのがうれしいじゃないですか。 ヒヒのほうも人間相手に楽しんじゃおうというわけでしょうか ── ああ、今日もやってます。観光客のテントに忍び込んで荷物を強奪。大騒ぎの鬼ごっこです。/ケニア・マサイマラ国立公園
ケニア・マサイマラ国立公園
毎年8月頃になると、タンザニアのセレンゲティー国立公園から、隣り合ったケニアのマサイマラ国立公園にかけて、ヌーの壮大なドラマが展開されます。 エサとなる草を求めて、何万という数のヌーの大群が移動を始めるのです。 夕暮れが近づいたケニアのアンボセリ国立公園 ── ロッジにいそぐ私の目の前に突然、そのヌーの大群が現れました。 夕日にまっ赤に染まったヌーの群れが、ゆっくりと不思議なほど静かに、こちらに向かってきます。 霧のように輝く土煙のなかから、一頭、また一頭と浮かびでてくるさまは、神秘的なものさえ感じさせます。 自然の織りなす様々なドラマを見るにつけ、自然は偉大な演出家なのだとつくづく思います。/ケニア・アンボセリ国立公園
馬は古くから、犬や猫とともに人間にはなじみ深い動物ですが、これが野生の世界となるとイヌ科やネコ科の動物にくらべちょっと影がうすいような気もします。 でも、シマウマだけはなかなか派手で目立つ存在。黒白のフォーマルな礼服に身をつつんだ姿は、野生のウマ界のエリートといえるかもしれません。 エリートにしては顔が大きく、ズングリ体型でカッコ悪いという意見もあるかと思いますが、そもそも馬は、日本の道産子や木曽馬、ミサキウマもそうですが、骨太でがっしりした、とても頑丈な体をしています。 スマートなサラブレッドは、速く走ることだけを考えて人間に作られたもので、本来の馬の姿ではないわけですね。 時代劇では、スラっとした武将が、スラっとしたサラブレッドにまたがって登場しますが本当は、あの時代の馬はシマウマみたいにズングリ馬だったはず。武将もまた、現代人のようにスラっとした体型ではなかったかも。/ケニア・マサイマラ国立公園
ライオンやトラとならんで、ネコ科の猛獣の代表といえるのがヒョウです。 この3種、同じネコ科の仲間なのに、その生活ぶりはずいぶんと違います。 ライオンは広々としたサバンナで悠然と暮らしていますし、トラは密林の中に身をひそめるように生活しています。 ヒョウは、ライオンと同じくサバンナにいますが、樹上にいることが多いです。 サバンナを車で走っていると、ときどき樹のうえにレイヨウ類などの草食獣の死体がぶら下がっているのを目にすることがあります。 何故、あんな高いところで死んでいるのか不思議に思いますが、これはヒョウの食事のあとです。 あるとき、ヒョウとハイエナがはちあわせをしました。 ヒョウは、怖い顔で威嚇しているのですが、ハイエナのほうはまったく平然としていて結局、ヒョウのほうが退散してしまいました。 こういう強者ぞろいのサバンナにあっては、樹上でないとゆっくり食事も出来ないということなんですね。/ケニア・ナクル湖国立公園
ケニア、ウガンダ、タンザニアなど中央アフリカに生息するジサイチョウは、体の大きさが1mほどもあり、アフリカにすむサイチョウのなかでも、もっとも大きな体をしています。 まっ黒な体に、まっ赤な顔は広い草原の中でひときわ目立ちます。 ちょっと怖そうな姿をしていますが、いつも夫婦や家族と暮らす、愛情こまやかなトリです。 長いまつ毛のパッチリした瞳が、とても優しそうでしょ。/ケニア・アンボセリ国立公園
ケニア・マサイマラ国立公園
ある日、サバンナでシマウマの死体を見つけました。まだ、全然食べられたようなあとはありません。 最初にやってきたのはハゲワシでした。次々とやってきます。これはご馳走です。 ところがハゲワシたちは、その獲物をうまく食べることが出来ません。まったく無傷の皮を突き破れないのです。 ほかの動物が食べた後の、バラバラになった死体をついばむことが多いハゲワシにとって、まさに切り口がないという有様です。 めったにない豪華な食事のはずが結局は、そのあとに来たライオンにすっかり美味しいところを食べられてしまいました。 やはり、残り物をついばむはめになってしまって、ちょっと気の毒でした。/ケニア・アンボセリ国立公園
人間の世界では、イヌはペットとしてネコと人気を二分していますし、警察犬や盲導犬、牧羊犬などとして大活躍もしています。 ところが、野生の世界となると事情がだいぶ違ってしまいます。 ネコ科の多くが、猛獣として野生の世界に君臨しているのにくらべ、ジャッカルやハイエナをはじめとするイヌ科の仲間たちは地味で、ちょっと影のうすい存在です。 それどころか、ペットの世界ではネコのほうが、こずるいような印象をもたれがちですが、野生の世界ではこれも逆になってしまっています。どうしてなんでしょうか。 しかし、そんな彼らですが、その姿を見ているとやはりイヌだなと思うことがあります。 それは、イヌ特有のまなざしです。 いつもじっとなにかを見つめ、なにかを訴えているような、ちょっと寂しげなまなざしです。/ケニア・マサイマラ国立公園
水たまりで、ブチハイエナが水浴びをしていました。 よく見ると、すぐそばにガゼルの子が沈んでいます。どうやら、狩りのあとで体を冷やしているようです。 ハイエナは、ライオンなどの食べ残しの死肉を食べることから、あまり良いイメージをもたれていませんが、それはかわいそうな誤解です。 たしかに食べ残しを片づける大切な役目もありますが、ほんとうは自分でもちゃんと狩りをしています。 さて、意外に思われるかもしれませんが、ハイエナは地面に穴を掘って巣をつくります。ところがこの巣穴、あぶない巣穴なんですね。 あるとき、車で走っていると突然、ドーンという衝撃とともに座席から転げおちてしまいました。巣穴に気づかず、車輪を落としてしまったのです。 さいわい、ハイエナは留守で無事でしたが、人間のほうはそのあと村の診療所に行くはめになってしまいました。/ケニア・マサイマラ国立公園
大草原地帯のサバンナにも所々、樹木のうっそうと繁った密林があります。 もちろん、それほど広い林ではありませんが、ここにもちゃんと住人がいます。 姿をあらわしたのはブルーモンキーです。 しっぽをのぞく体長は50〜60cm、体重は6〜7kgになる、体のがっしりしたおサルです。 ふだんは、15頭くらいの群れで行動しますがこの日は、1匹だけでのんびり葉っぱを食べていました。/ケニア・マサイマラ国立公園
サバンナで一番、地味な動物はトピかもしれません。 数は多く、どこにでもいて、姿かたちはあまりに地味で、いつもじっとして動きません。ですから、ライオンやキリン、ゾウなどのスターともいえる動物ばかりに目が向いてしまい、あまり気をとられることもありません。 ところが日数もたち、いろいろな動物を見ていくにつれ、だんだんと印象が変わってきました。 サバンナでは、強い者も弱い者も、厳しい自然の掟のなかで必死に生きているような空気を感じます。 ですが、トピのまわりだけ、その空気がゆったりとしているようなのです。 地味に見えますが、じつは卓越とした生き方をしているといったらいいでしょうか。 あるとき、遠くを見つめていたトピが、なにを思ったか、こちらを振り向いたことがありました。 じっと見つめるその風貌は、サバンナの仙人を彷彿させるものでした。/ケニア・マサイマラ国立公園
ホロホロチョウというと、まず食べることを考えてしまいます。 チキンのようなイメージなんですね。 ほんとうは、アフリカに広く生息する野生の鳥なんですが、15世紀には早くも食用としてヨーロッパに輸出されていたというのですから仕方ないかもしれません。 ホロホロチョウは脚力の強い鳥で、一日に数十kmも移動することがあるそうです。誰かあとをついていったのでしょうか。 もちろん、飛ぶことも出来るのですが、外敵におそわれたときも羽をバタバタさせながら韋駄天走りで逃げていきます。 いずれ、ダチャウのように飛べない鳥に進化していくのでしょうか。 ホロホロチョウの名前の由来は、その啼き声から。もう少し考えて命名してあげてもと思いますが、可愛らしいからいいかな。/ケニア・マサイマラ国立公園
サバンナには、所々に岩場があります。どれもそれほど大きいものではなく、動物が生活しているようには見えません。 でも、ここにも立派な主がいます。岩場の割れ目を住まいとするイワハイラックスです。 ネコを少し太めにしたくらいの愛らしい生き物ですが、なんと祖先がゾウと同じというから驚きです。 あるところから、ひとつはゾウに、ひとつはハイラックスに進化していったわけですが、どうしてこんなに違ってしまったのか、自然はいたずら好きです。 でも、どうせだったらゾウのように大きなハイラックスや、ハイラックスのように小さなゾウも作ってくれていたら、もっと面白かったですよね。/ケニア・マサイマラ国立公園
南極半島ホープ湾
南極半島ホープ湾
南極ポーレット島
日本が冬の時期、南極では短い夏の季節を迎えています。 もちろん夏といっても、日本のような蒸し暑い夏ではありませんが、それでも風が強くないかぎりジャケット一枚もあれば十分で、天気が良ければポカポカと暖かいくらいです。日本の冬のスキー場のイメージでしょうか。 この季節、ペンギンたちにとってはだいじな子育てのシーズンです。短い夏の間に,大忙しで子育てをしなければなりません。 営巣地(ルッカリー)は、雪がとけて地肌がでた、石がゴロゴロした海岸沿いにあります。ペンギンといえども、冷たい氷のうえではヒナを育てることが出来ないからです。 石を寄せて作った巣は、これが巣なの?といいたくなるような情けない、いやシンプルな巣ですが、南極には巣になる材料がないんですね。 アデリーペンギンは、一カ所に数十万羽という大きなルッカリーを形成します。 白く、眩しく輝く氷のうえで遊ぶアデリーたちを見ていると、ここが地球の果てであることを忘れます。/南極半島ホープ湾
南極ロス海
南極ロス棚氷
南極フランクリン島
南極フランクリン島
海岸を歩いていると、大きな岩のようなものがゴロンと転がっています。 ウェッデルアザラシです。 このアザラシは南極でよく目にします。 人がそばを歩こうが、しゃがんでのぞき込もうがいっこうに気にせず昼寝をしています。人間のことを、ちょっと大きめのペンギンとでも思っているのでしょうか。こんな呑気で大丈夫なのかと心配になってしまうほどです。 南極の厳しい寒さにも平気なアザラシですが、やはり暖かい今の季節は気持ちが良いのかもしれません。 でも、ほら。気をつけないと鼻水がたれてますよ。/南極フランクリン島
亜南極マッコーリー島
亜南極圏に位置するマッコーリー島は、年間300日以上雨の降る、地球上で一番、雨の日が多い場所といわれています。 木が生えることが出来ないほど風が強い島で、人間には過酷ですが、ここは多くの生き物たちが暮らす野生の王国です。オーストラリアの世界遺産に登録されています。 ミナミゾウアザラシもこの島の主役です。 世界中のアザラシ類のなかでもっとも大きく、オスでは体長5m、体重3.7t にもなります。 海岸に寝そべっている巨体は、まるで倒れた大木のようで、こんな大きなものがよく動くものだと感心してしまいます。 おまけにこんな大きいなものが島に、11〜15万頭もいるというのですから、よく島が沈まないものです。 仲間うちでは、たまに争いもあるようですがふだんはおとなしく、あまり人を気にする様子もありません。 ただ、そうはいっても巨体の群れに近づいていくにはちょっと勇気が必要です。 だって、寝返りでもうたれたら、人間なんかスルメになってしまいますから。/亜南極マッコーリー島
12月末、この地では夏にあたるこの時期、マユグロアホウドリは繁殖のシーズンを迎えます。 体長90㎝、翼長2mを越える大きな鳥で、黒白の体にオレンジ色のくちばしが美しく映えます。大きな頭はボウリングのボールくらいで、それにバナナをくっつけたような感じです。 目元のアイシャドーがとってもオシャレで、眉にも見えるところからマユグロなんですね。 フォークランド諸島のほか、サウスジョージア島、ケルブレン諸島で繁殖。大きな翼で南極海を飛び回っています。/フォークランド諸島ニューアイランド
フォークランド諸島ニューアイランド
繁みのなかの木道を4kmほど歩いていくと、やがて広々とした高台にでました。 草こそ生えていますが荒涼とした印象です。 ニュージーランド・キャンベル島。ここがロイヤルアホウドリの営巣地ということですが、吹きさらしで寒々しく、とてもヒナを育てるのに快適な場所には見えません。 遠くを見ると、白く点々としたものに気がつきました。それはとても小さい点に見えたので花でも咲いているようでした。 近づいていくと、白い花はだんだんと大きくなり、やがて目の前にきたとき、それは今まで見たこともない大きな鳥、ロイヤルアホウドリの姿とわかりました。 品格のある立派な姿には敬意さえおぼえます。「失礼します。よろしくお願いします」と、つい心のなかでつぶやいてしまいました。 ロイヤルアホウドリは、翼を広げると3mもの長さになります。身長が160cmくらいの人の倍近い長さです。 飛行機でいえば、さしずめジャンボジェットですが、風をはらみ悠然と飛ぶ姿はまるでグライダーのようです。/ニュージーランド・キャンベル島
南極ロス棚氷
南極半島
南極ロス海
2月下旬、カナダ東部のセントローレンス湾の氷原のうえでは、たくさんのタテゴトアザラシの赤ちゃんが誕生します。 春も近く、氷も少しずつゆるんでくる季節ですが、それでもちょっと吹雪くと、気温はかんたんに氷点下20度を下回ります。 人間にはとうてい耐えられない環境のもと、赤ちゃんたちの氷原の保育園は約一ヶ月ほどつづきます。 タテゴトアザラシの赤ちゃんは生まれた直後は黄色い毛でおおわれています。それが数日たつと太陽の紫外線などの影響で脱色し、真っ白に輝く毛に変わっていきます。 牛乳の10倍という脂肪分をもつ母乳で、一日に2㎏という、ダイエット中の人が聞いたら卒倒するようなスピードで成長を続けた赤ちゃんは、なんと3週間でおとなの仲間入りです。 可愛らしい時期が短いのは人間と同じですね。ただ、ちゃんと自立もしてくれるのでその分、良い子かもしれません。/カナダ・セントローレンス湾
カナダ・セントローレンス湾
カナダ・セントローレンス湾
カナダ・セントローレンス湾
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